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木そのものの存在感 

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 MUKU-DATA  チーク 約1800x150x120mm 粗木 鋸目  新潟市 N 様


まだ仕上げていない一本のチークの粗木
荒々しくチェーンソーで角にした鋸目痕が付いたままのもの

先日一本持っていっていただき、Nさんの事務所に置いてみたら
存在感とそこから発せられるオーラがあるらしい。
室内の空気が変わったという。


材木屋などこの手の木を扱う人たちはその事を良く知っている。
ショールームに一枚、一本と新しい仲間が増えると
いままでとは室内の気配は変わる。
そして今までそこに居た仲間たちは数日するとその新人を受け入れて
全体の空気感はミックスされて一層パワーアップされ調和がとれた室内へと変化していく。

その逆もあり、
そこに居た仲間が一枚一本と出ていくと一気に間が抜けたように
寂しい雰囲気になってしまう。
数日すると居なくなったものを補うかのように残った仲間たちでまた調和が保たれていく。

木にはそんな力が確実にある。

これは木だけではなくきっと書であったり絵であったり、
陶磁器もそうかもしれない。。
盆栽もそうだし、骨董もそう。
家具だってそうだろう。

そういった心に響くもの、何か感性に問いかけてくるものは多くあるかと思う。

木は日本人には身近過ぎて当たり前なもの過ぎて
そういったことを感じられなくなっているものになってしまっているのかもしれないなぁ・・

便利でスピードだけが求められる今、
割れ、反り、と木は一部では厄介な存在として思われている節もある。
今少し流行っているから、
お前は反らないように表面だけの突板のままでいればよいと
0.1mmと皮を剥がされて、ベニヤに貼り付けられて
木っぽく見えるようにしていてくれよって。。
見えなくもない。(突板否定をしている訳ではない、私も適所に使用する)

生の木、無垢の木、ものとして置くという選択肢もあってもいいのかもしれないなぁ・・

建築で使われる加工された無垢の木以外に、
物としての木、
「ブツ一本勝負としての木」も材木屋としては一つテーマです。






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by solid6q | 2020-09-14 08:13 | 木の素材・テクスチャー