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栗一枚板  都会のマンションの一室で

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 MUKU-DATA  栗: 2040 940-1130 t55mm   東京都 S様


日曜日、東京23区内マンションが建ち並ぶ一室に栗の板をお届けにいってきました。
エレベーターは板を斜めにして何とかギリギリ、室内への搬入も何とかギリで
お客様が用意された左右の引き出し付きの台の上に設置することができました。

昨日まで田舎の倉庫にあった栗の板が、
今、窓の外はビル群の都会の一室に静かに居心地よく横になっている姿は
何だか不思議な光景でした。

この板は完全に仕上げたものではなく、表情が分かるようにそしてある程度の反りを取る程度に
数年前に大工さんから削ってもらったものです。
両木口もカットしていませんし、まだ鎹金物も打っている状態です。
お客様はご趣味で刃物が扱えるそうで最終仕上げは状態を確認しながら
自ら調整するとの事でした。

置いた瞬間、妙に座りの良さを感じました。
私も感じたし、一緒にお届けしたスタッフの木津も感じたし、きっとお客様自身も
同じように感じたように思います。
そして何より栗のこの板自身が、ここに来たかったようにも見えました。

こういった野趣に富んだ板、ピンホール、割れ、欠け、絶妙な自然の作り出したキャラクターの配列
なるべく手を加えない自然のままの状態の木
っていうのもやっぱりいいなぁ・・と感じました。

人の手が加われば加わるほど、自然から遠ざかるのは致し方ないのですが、
どの状態で加工を止めるか?
ここ辺りも、それぞれ個性ある一枚板の魅力を最大限にお伝えする為に
あまり加工しないという選択肢は材を扱うプロとしては必要なのかな・・と思ったりしています。

ガチガチに何本も入れられた金物の反り止めなど見ていると
作る側の気持ちはわかるのですがちょっと木が可哀そう・・って。。
キレイすぎるほど、またクレームがないように加工されすぎた完璧な一枚板を見ていると
どうも違和感を感じてしまうのは私だけでしょうか・・・

都会の一室に来た、この一枚板の様子や気配を感じながら
またお客様に直接お会いし笑顔や優しさに触れ

いろんなことを思いながら田舎へ帰ってきました。









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by solid6q | 2019-12-24 08:44 | 木のテーブル・座卓