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階段まわり 板張り

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 MUKU-DATA  階段蹴込板・側面:杉板張り  施工:ナカヤマ建築さん



おはようございます。
桜満開の暖かな晴れた日曜の朝です。
本日10時過ぎにお客様がお見えになるので出勤です。

先日、十数年ぶりに近くの大工さんが来られました。
30年前に建てたお客様が車庫を建てたいとの事で、もう79になるその大工さんに
声をかけていただいたそうです。

「ちっちぇ仕事でわーりね」(小さな仕事で悪いね)と申し訳なさそうに事務所に入ってきた大工さん、
いえいえ、ぜんぜんそんな事はありません。
当時、大きな新築ばかりやっていたから余計そのように思うのでしょうね。
時代は変わりました。大小関係ありません。
こちらからすれば、30年過ぎて、80近い大工さんさんに尚、声をかけていただける事の方が
いかに価値があることか。。。



こちらも30年以上前に父の時代に建てさせていただいたお宅です。(親戚です)
階段の蹴込板の一枚が割れていて前から直したかったらしいのですが、
なかなかどうしていいのやらと思っていたそうです。

L型階段、1~8段 - 踊り場 - 10~15段という形です。
10~15段目の蹴込板は、無垢材になっています。
1~8段目にべニア下地にクロスを貼ってあるのは、きっと階段側面の廊下側の壁と合わせたかったのでしょう。

お客様のご要望は、
①一枚割れたケ込板を何とかしたい
②10~15段目のケ込板は傷んでいないのでやっぱり木がいいのではないか
③なるべく安く(ここだけ凄くきれいにしてもどうしようもないので)

お客さんからみれば、ケ込板部分に木を入れて張ればいいだけ、と(半日で終わる?)
思われているようですが、
既存の踏み板との間に現場合わせでピッタリと板を入れるのはかえって手間が掛かり過ぎてしまいます。
また既製品の羽目板は、一見、仕上がっていて簡単なようですが、入組んだ踏板付近の欠き込みは
また手間を要してしまいます。

施工前、ナカヤマさんと写真をみながら相談。
逆に少し数ミリ空きを作り、押縁や見切り材を使う事で、
出来上がった際は一見、手間がかかったように見えますが、
一枚一枚当てがいながら巾を決めることより
スムーズに施工できるという結論に。


かかった手間:1.5人(板加工:半日、 現場施工:1日)
杉板代:6,000円弱

ナカヤマさんが手が早くきれいな仕事されるのは、現場を見てわかっていましたので、
とても助かりました。この手のリフォームは大工さんに拠るところが大きいです。

仮に既存クロスを剥がして再度クロスを貼るにしても下地の調整もしなければいけませんでしたので、
同じくらい、それ以上のコストを要したかもしれません。

廊下はヒノキの縁甲板、玄関式台には一位の厚板が入っています。
今回使った杉板は大したことのない源平の板目材ですが、
全体の雰囲気、ご要望、コストを含めて、
バランスよく仕上がったのではなかろうかと思っています。






施工前
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施工後
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追記:4/14

昨日、お支払いするとの事で行ったら、
大工さんには、良くできたので、ご請求以上のこれは気持ちと、
お預かりしてきました。

とてもありがたく嬉しいことと思います。

本来、損得ではなく、その価値はお客様が決める事なのかもねと
感じました。
そしてお客様に育ててもらいながら、前にまた進む事ができるんだなぁと。

事の大小ではなく、常にその現場を良く見て、どうすることが最もいいかを考える。
この積み重ねです。

大工さんもとても喜んでいました。





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by solid6q | 2016-04-10 09:46 | 木のリフォーム